1日で2回ガラスを割った話

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家から歩いて5分くらいの中学校に通っている僕は、同じ学年の男子としては比較的珍しい文化系の吹奏楽部に所属しています。実際、クラスの男の中で文化部に入っているのは、僕を含めてもたったの二人。残りは全て陸上や水泳などの派手目な部活を選びました。
当然、僕もそういった運動系の部活動を選ぶことも出来たのですが、小学校の高学年から始めた吹奏楽が、当初思っていたよりも自分の性格に合っていたことがあり、そのまま中学でも吹奏楽部に入りました。
それに、自分の性格に合っていたということ以外にも、僕には吹奏楽を続ける理由があったのです。

実は僕はまだ小学校のころ、吹奏楽の練習にあまり身が入っていない時期があり、その時に部室の窓ガラスを誤って割ってしまったことがあるのです。それも、一日に二度も。
もちろん両方ともワザとではないのですが、部活顧問の先生にはこっぴどく叱られました。その時、怒られてうつむく僕をかばってくれた人がいたのです。その人は僕よりも一学年先輩の女の人で、「この子も悪意があったわけではないので」と顧問の先生に口添えをしてくれました。

当時、自分が悪いとちゃんと自覚しているにも関わらず、二度も窓ガラスを割ってしまったショックで何も言えなかった僕は、その女の先輩のかっこよさに憧れました。ちゃんとこんな風に、何かトラブルがあってもしっかり対応できる人になりたいと思ったのです。
それ以来、僕は助けてくれた先輩に認められたい一心もあり、しっかり吹奏楽の練習をするようになりました。そうすると我ながら現金なもので、それまであまり楽しいと感じなかった楽器の演奏が次第に面白くなり、結局気が付けば吹奏楽が好きになっていたのです。